2015年09月25日

VOL.69 輸出入6大要素 商流(資金流) 貿易方式 加工貿易その1

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  百歩録の  中国輸出入貿易実務ワンポイントセミナー  VOL.69
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■中国輸出入貿易の6大要素 Bマネー 商流  

◇加工貿易 その1
 今回から貿易方式に関して,特に輸出入6大要素に従い見ていくことにします。はじめは貿易方式で一番よく使われる加工貿易からです。

○商品貨物/レギュレーション
 まず加工貿易で取り扱える貨物はどのような制約があるのでしょうか?結論を先に言えば、税関で定めるHSコードにより出来るかどうかが決まってきます。

 具体的には2014年12月19日発布(2015年1月1日施行)された商務部/税関公告2014年第90号 「加工貿易禁止商品目録」という公告でHSコード別に 

  @輸出が禁止されているもの
  A輸入が禁止されているもの
  Bどちらも禁止されているもの

 に区分され、2015年現在上記@〜Bに該当する品目は全部で1871品目が該当しています。この対象貨物は外部要因の影響を受けやすく、頻繁に変更される傾向があります。
 
 余談ですが、中国は「これこれはしてはならない」という決まりが好きなようで、これをリスト化したものをネガティブリスト(負面清単)と呼んで制限・制約を与えています。ただこの国で頭を痛める主なこととしては、リストに出てこないネガティブな規定が存在することと、その逆に禁止目録に入っているものの、仕様等の詳細を細かに見るとそれに該当しないという所謂「目録外」という措置がある点です。

 微妙なものはトラブルになりかねませんので、HSコード判定センター(Vol.24参照)でお墨付きを得ておくことをお勧めします。

 またネガティブリストの反対に「これこれはしていい」というポジティブリスト(正面清単)というものもありますが、状況はネガティブリストと同じで、はっきりと明文化されているにもかかわらず、政府機関を跨ぐような例えば(*1)外管局と税務局に絡む海外決済などは、規定通りに実行出来ない場合もありますので、事前に各機関にアプローチしておくことが必要です。

○マネー 資金流
 資金流についてはいままで見てきた通りですが、ここで付け加えるとすると、加工貿易によく見られる物流園区経由或いは輸出加工区経由でオペレーションする場合の資金流です。

 外管局の規定(2005年12月20日 国家外貨管理局発布 匯発(2005)92号)では、下記いずれの場合も外貨決済が可能となっています。

 @国内の売り手と買い手が直接決済
 A国外企業経由決済
 B園区内企業経由決済

 この規定は前述したポジティブリストの一つとして、「これこれはしていい」という規定ですが、前述した(*1)の例として、あるエリアの税務局の見解では「輸出入なのだから海外経由決済されるのが当たり前」として上記の@、Bを認めず、Aのオペレーションを強要してくる場合があります。

 これなどはこの国によく見られるパターンの一つですので、スポットならまだしも継続して発生するのであれば、ムダな出費を防ぐ意味でも、当該政府機関に対して、しっかりアプローチすることが必要でしょうか。

 増値税の取り扱いに対しては「海外からの仕入れるモノの輸入関税・増値税は全て免税(保税)扱いとなり、輸出後、国内からモノを仕入れた場合に発生する増値税は免税・控除・還付のいずれかの措置を受けることができる」というコメントに留めておきます。これも多々イレギュラーが発生しているようなので、詳細は税理士や会計事務所などの専門家にお問い合わせ下さい。

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VOL.68 輸出入6大要素 商流(資金流) 条件付きで海外決済できる貿易方式

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■中国輸出入貿易の6大要素 Bマネー 商流(資金流)  

○条件付きで海外決済(支払い受け取り)できる貿易方式
 今回は「条件付きで海外決済できる貿易方式」を見ていくことにします。全部で24種類ありますが、代表的な方式を挙げるに留めます。

  1.来料加工国内転売
  2.加工貿易設備
  3.進料深加工貿易(廃材販売)
  4.保税転売/保税倉庫貨物/保税工場
  5.修理部品
  6.出料加工 来料加工の逆バージョン
  7.サンプル広告品
  8.返送に伴う返金処理

 まずこの条件とは貿易方式によっても違うのですが共通事項として下記が挙げられます。

 ・取り引き契約書、インボイスが外貨管理局の批准を受けていること。
 ・契約書の条項に外貨支払い(受け取り)が明記されていること。
 
 という条件です。

 要は予め外管局の審査を受けパスしていないとNGということになり、更に企業の個別状況などが審査の対象にもなりますので、恒常的に海外決済が出てくる場合は、無条件で海外決済できる貿易方式を選択し体制を整えておくことが無難です。

 ちなみに上記の二三の貿易方式について、若干補足説明をしておきます。

・来料加工国内転売 
(支給者が買い取るところ、製品を国内に転売するというイレギュラー処理)
  
 そもそも来料加工は材料の仕入れ先と製品の供給先は同じ相手で、売り買いはなく加工賃ビジネスが基本。海外から材料を仕入れて国内販売というスキームは一般貿易となり、製品を海外に販売するのであれば進料加工となるのが普通です。従いこれはかなりイレギュラーなケースですので、特殊事情でスポットでたまたま発生したのであればともかく、恒常的に発生するのであれば一般貿易のスキームに変更した方がいいでしょう。

 特に免税扱いで入れた材料を国内販売となると輸入関税・増値税が発生し、モノの免税と非免税の受け払い管理もしなければなりませんので、対税関、税務局の事後処理が厄介です。

・進料深加工貿易(廃材販売)
 あくまで加工貿易を前提に海外仕入れ品は免税輸入していますので、国内販売する場合は、後追いで増値税の処理をしなければならず、また問題はそれだけに終わらず(上記1もそうですが)、「その他にも国内販売しているものがあるのではないか」などというあらぬ嫌疑をかけられるところにあります。

 従いこの手のイレギュラー処理は受送金と合わせて、数量(重量)の受け払い税金の後処理が煩雑になります。処理としては返品処理が通関上、税務処理上手っ取り早く一番簡単な方法となります。

 端材と不良品では手続きが異なりますが、後追い納税、返送、放棄と焼却処分の4つがあります。

・修理部品
 部品以外にも、例えば設備の一部を日本に返送しメンテ修理後、再輸入というのがこれに当たります。

 この場合再輸入時に付加価値に対して、つまりメンテ費用として海外送金する金額(価値)に対して、輸入関税及び増値税が発生します。法検商品であれば事前に商験局に対して事前申請が必要です。そして税関、商検局いずれも再輸入を前提にした輸出手続きをすることになります。通常は半年、延長申請で1年まで有効です。

・サンプル広告品
 ここでいうサンプル広告品の貿易方式では無償輸入として申告するのが一般的です。これを有償とするのであれば、一般貿易となりますので、サンプル品云々という申告自体無意味(商検対応もした上で更に海外送金も別途申請する)で、あえて手続きを複雑にしているとしか言いようがありません。

 実際には本メルマガでも紹介した(Vol.50〜58)やり方をお勧め致します。

 この他にも海外決済できる条件付き貿易方式はありますが、いずれも事前事後のイレギュラー処理をしなければならず、出来るだけ受送金がはじめから認められている貿易方式にするのが賢明です。その出来るとされている貿易スキームですらあれこれ注文がつくのですから、いわんや条件付きの貿易方式など選択しないことに越したことはありません。

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VOL.67 輸出入6大要素 商流(資金流)海外送金できる貿易方式

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○海外への受送金が可能な貿易方式
 貿易方式の受送金に関して、VOL.60で下記3つに大別しましたが、その詳細について見ていくことにします。

 1.無条件で海外決済できる貿易  10種類
 2.条件付きで海外決済できる貿易 24種類
 3.海外決済できない貿易     その他全部


○無条件で海外送受金ができる貿易方式
  全部で下記10種類となっています。

  1.一般貿易
  2.来料加工貿易 *燃料に限定(材料、部材は不可)
  3.進料加工貿易 (対口)
  4.進料加工貿易 (非対口)
  5.対台湾貿易
  6.免税品
  7.外貨商品
  8.三資企業加工貿易
  9.対台湾貿易少額
  10.辺境貿易

 このうち時代の発展とともに形骸化し使われなくなったものもあり、主なものとしては1,3,4となるでしょうか。

○来料加工とは
 また中国が今のようにお金持ちでなく、人の労働力しか売るものがなかった80 年代〜90年代初頭にかけて、盛んに行われていた貿易の方式です。

 とにかく外貨がないので、材料、設備その他の生産に必要なものは全て相手側からの支給でまかない、あとの加工や組み立て等人手がかかるところを請け負い、その作業工賃を得るというスキームを「来料加工」と呼んでいます。

 特徴的なことは、モノの売り買いの貿易とは違い、加工賃ビジネスなので、つまり輸入される部材、材料は支給をベースとしている為、海外送金はこの貿易スキ ームでは認められていません。

 また部材や材料の所有権、販売権、在庫リスク等は全海外の貿易パートナーが負うものとなっていますが、リスクがない反面、利益も予め決まっているので、工賃以上は稼げないといった限界もあります。

 このスキームはもちろん今でもやっているところはありますが、国際相場の素材など手なれた海外企業が集中買い付けし、中国の合弁会社或いは取り引き先に支給し、出来た製品を買い戻す(加工賃等の付加価値を支払い)などかなり限られたケースとなります。

○進料加工とは
 これに対して進料加工貿易は、海外輸出を基礎に於いていることは共通していますが、売り先は来料加工のようはじめから決められている場合(対口)と決められていない場合(非対口)の2つのケースがあります。

 ・「対口」とは輸入先と輸出先が同じ場合
 ・「非対口」は輸入先と輸出先が異なる場合

 取り引きの流れとしては、サプライヤーから部材部品を輸入し、アッセンブラー或いは市場に輸出販売していくやり方で、サプライヤー、アッセンブラーとも海外とは限らず、同じ国内になる場合があります。この場合税関監管エリア(輸出加工区等)を経由してモノを動かし、手続きしていくことになります。

 進料加工は特に相手や価格を自由に選択出来るのが特徴で、リスクはある反面、伸びシロもそれだけあり、また輸入された部材や材料は全て関税、増値税は免税扱いとする政府の後押しもあり、中国が外貨を稼ぎ大きな飛躍を遂げた代表的な貿易スキームの一つです。

 この進料加工は一般貿易と同じく、仕入れた部材、材料に対して海外送金が可能ですし、加工製品を輸出し外貨の入金も認めらられている貿易方式となっています。

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